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Figure 6.5.1 Audio cassettes are a recorded, asynchronous technology
図6.5.1 オーディオカセットは録音された非同期技術です

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メディアやテクノロジーが異なると、時間と空間における動作が異なります。これらの側面は重要です。なぜなら学習が容易になることもあれば困難になることもあり、また学習者を制限することもあれば一層柔軟にすることもあるからです。実際、時間と空間には密接に関係する2つの側面があります。

  • ライブまたは記録されたもの
  • 同期または非同期

6.5.1 ライブか記録されたものか

これらの違いはかなり明確でしょう。ライブ性のメディアとは定義上、対面型のイベントであり、講演会やセミナー、あるいは1対1の指導です。「ライブ」イベントでは参加者全員が同じ時に同じ場所にいることが必要です。ロック・コンサートの場合もあります。スポーツ・イベントや講演会の場合もあります。例えばセミナーのようなライブ・イベントは、感情的に強く保持された信頼を築こうとする時や、挑戦的な態度や地位に向かわせようとする時など、個人的な関係が重要である場合にうまく機能します。(学生の場合もあれば教員の場合もあります。)ライブ講義の教育的な利点は、学習者の強い感情に訴えることで、実際に発生する知識の転移を超越した励ましや勇気づけが行えるかもしれないことです。そして感情的な「力」を与えることで、学習者たちが学習する前にいたところから、新たな高みに上昇させる手助けをすることができるかもしれません。ライブ・イベントは定義上、一時的なものです。このことはよく覚えておく必要がありますが、一方で繰り返すことができないという特徴があります。もし繰り返す場合には、違った経験になるでしょうし、別の学習者に対しても行われることになるでしょう。つまり、ライブ・イベントには強い定性的あるいは感情的な要素があります。

一方、記録されたメディア、例えばビデオ・カセットやオーディオ・カセットの場合、それを所有する人であれば永久に利用できることになります。書籍や印刷物も同様に記録されたメディアです。記録されたメディアの重要な教育的意義は、学習者が同じ教材を、学習者に都合の良いタイミングで何度でも無制限に利用できるということです。

もちろんライブ・イベントも録音録画しておくことはできますが、記録されたメディアの映像を見ることと、生で同じスポーツの試合を見ることでは、違う体験をすることでしょう。とりわけ録画されたスポーツの試合では一般的に感情的な側面での感覚は低下します。特に試合の結果を知っている場合は尚更でしょう。「ライブ」のイベントを「熱い」、記録されたイベントを「冷たい」と考える人もいるのではないでしょうか。良い小説など、記録されたメディアであっても感動することはあったとしても、書かれた場面に居合わせることに比べたらはるかに異なる体験になるでしょう。

6.5.2 同期か非同期か

同期テクノロジーはコミュニケーションに関わる全ての参加者が同じ時間に集まる必要がありますが、同じ場所である必要はありません。

ライブ・イベントは同期メディアの一つの例ではありますが、ライブ・イベントと違い、テクノロジーによって全員が同じ場所に集まらなくても良い、同期的な学習ができるようになっています。ただし全員が同じ時間に集まっておくことが必要です。テレビ会議やWebセミナーは同期テクノロジーの一例であり、「ライブ」で配信されますが、全員が同じ場所に揃っていなくても構いません。同期テクノロジーには、他にテレビ放送やラジオ放送があります。放送される時には「その場所」にいなければいけません。さもなくば見逃します。しかし「その場所」に教員がいなくても構いません。

非同期テクノロジーは参加者が情報にアクセスする場面や、コミュニケーションする場面が時間的に異なっていても構いません。通常、参加者は場所と時間を選べます。全ての記録メディアは非同期です。書籍、DVD、YouTube 動画、講義録画システムによって記録され、オンデマンドでストリーミング配信できる講義、オンライン・ディスカッション・フォーラムは、全て非同期のメディアまたはテクノロジーです。学習者は時空を超えて自らの選択によってこれらの技術にログオンしたりアクセスしたりすることができます。

図6.5.2では時間と空間の組み合わせという観点からまとめた、主要なメディアの違いを示しています。

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Figure 6.5.2 The separation of teachers/instructors from learners by time and space
図6.5.2 教員と学習者の時間と空間による分離

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6.5.3 なぜこれが問題になるのでしょうか。

総合的に見て、非同期あるいは記録されたメディアには膨大な教育的利点があります。それはいつでも情報にアクセスできたりコミュニケーションを取れるというメディア特性があることにより、学習者に対して、より多くの操作性や柔軟性があるからです。教育上の利点は、多くの研究によって確認されています。例えば Means et al. (2010) はブレンド型学習の方が優れていたと述べています。その理由は、オンライン教材が学習者に対して、常に提示されていたために、より多くの時間を学習者が課題に割くことができたからです。

オープン大学での研究でも、学習者は学習コンテンツもフォーマットも全く同じであったにも関わらず、実際のラジオ放送よりもカセットテープに録音された方をはるかに好むということが分かっています。(Grundin, 1981; Bates at al., 1981) しかし音声のフォーマットがカセットテープに置き換わると、停止・巻き戻しのような制御が可能になるため、さらに大きなメリットにつながることが分かりました。また、学習者は放送を録音したカセットテープよりも、「設計された」カセット教材、特に文字やイラストなどと一緒に設計された、あるいは統合されたカセット教材から多くを学んだことが判明しました。これは例えば学生に数学の公式を説明する場合に特に貴重な研究となりました。(Durbridge, 1983)

この研究は同期テクノロジーから非同期テクノロジーへの一手として設計を変更することの重要性を強調しています。例えば、柔軟性や入りやすさという意味では、生の授業を講義録画システムによって録画したものであっても、あるいはいつでも教科書が利用できる状態であったとしても、利点はあることが予測できます。しかし、もしその授業や教科書が非同期型で利用できるよう設計されていたならば、そしてテストやフィードバックなどの活動が組み込まれており、授業を一旦止めて学生が調べ学習をしたり、参考文献を読んだりしてから授業に戻れるようになっていたならば、学習上の利点ははるかに大きいでしょう。

非同期型で記録され、教材資料をストリーミング配信できるように設計されているメディアにアクセスできる能力は教育の歴史の中では最も大きな変化の一つと言っても過言ではないでしょう。しかし高等教育における支配的な考え方は未だライブ講義やセミナーなのです。これまで見てきたように、ライブ型のメディアにも利点はあります。このようなメディアに独特な長所やアフォーダンスを活かすには、もっと対象を絞る必要があるでしょう。

6.5.4 インターネットの重要性

放送メディア/コミュニケーション・メディアの区別と、同期/非同期の区別は別々の次元にあります。これらを区別して配置すると、図6.5.4のように異なる技術として4分割することができます。(ここで示した技術はほんの一部です。図の中に他の技術を追加しても構いません。)

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Figure 8.9 The significance of the Internet in terms of media characteristics
図6.5.4 メディア特性の観点によるインターネットの重要性

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インターネットがなぜこんなにも重要であるのかを考えてみましょう。それはこのようなメディアやテクノロジーを包み込むようなメディアであり、教育や学習に限りなく大きな可能性を与えているからです。私たちが望みさえすれば、インターネットというメディアは教育設計において、ありとあらゆるテクノロジーの特徴や次元を活かし、ほとんど全ての学習状況に当てはまるよう非常に具体的なものにしてくれます。

6.5.5 結論

放送メディア・コミュニケーションメディア・同期・非同期のそれぞれについて長所と短所があることが分かりました。しかし今の段階で述べておかなければならないこととして、これらのテクノロジーをいつ使うか、あるいは結合して使うかを決定するための評価方法が必要であるということは否定できません。つまり特定の文脈における最適なテクノロジーの選択を決定できるような基準を設けなければならないと言えるでしょう。

アクティビティー6.5 テクノロジーにおける時間と空間

  1. このようなテクノロジーの分類はあなたにとって意味のあるものですか。
  2. 他のメディアやテクノロジーを図6.5.2や図6.5.4.に簡単に置くことはできますか。しっくりこないメディアやテクノロジーはありましたか。それはなぜですか。
  3. (学生がどちらのテクノロジーも利用したことがあると仮定して)Second Life よりもオーディオカセットの方が教育・学習にとって良い選択であるという状況を想像できますか。また、オーディオカセットよりも Second Life の方が良い選択であるという状況についてはどうでしょう。この判断基準や状況の決め手となるものは何でしょうか。

参考文献

Bates, A. (1981) ‘Some unique educational characteristics of television and some implications for teaching or learning’ Journal of Educational Television Vol. 7, No.3

Durbridge, N. (1983) Design implications of audio and video cassettes Milton Keynes: Open University Institute of Educational Technology

Grundin, H. (1981) Open University Broadcasting Times and their Impact on Students’ Viewing/Listening Milton Keynes: The Open University Institute of Educational Technology

Means, B. et al. (2009) Evaluation of Evidence-Based Practices in Online Learning: A Meta-Analysis and Review of Online Learning Studies Washington, DC: US Department of Education

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デジタル時代の教育 by Anthony William (Tony) Bates is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial 4.0 International License, except where otherwise noted.

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